サイト譲渡に関して多くの人が対面にて取引を行わないと考えられますので、電子メールにてやり取りをすることを想定してサイト譲渡契約書の雛形を作成しています。
また電子署名について困る人がいるかもしれませんので、電子メールによる承認も認められる内容をとしています。(第10条に記述)
電子メール承認に対応!サイト譲渡契約書の雛形例
この契約書は、譲渡人(売り手)と譲受人(買い手)の間でサイト譲渡を正式に取り決めるためのものです。
以下を参考にし必要に応じて調整してください。
万が一のトラブル時には責任を負いかねますので、法的な観点から弁護士等の専門家に確認してもらうことをお勧めします。
サイト譲渡契約書
本契約書は、以下に定める譲渡人(以下「甲」とする)と譲受人(以下「乙」とする)の間で、サイトの譲渡に関する条件を定めるものとする。
第1条(目的)
甲は、甲が所有するウェブサイト(以下「本サイト」とする)を乙に対して譲渡し、乙はこれを譲り受けることに合意する。
第2条(譲渡の対象)
譲渡の対象は、本サイトに関するすべての権利、利益、財産、および関連するデータや知的財産権とする。
本サイトに関連するドメイン名、コンテンツ、会員情報、SEO情報、ソーシャルメディアアカウント等のすべての資産も譲渡対象とする。
第3条(譲渡価格および支払い方法)
本サイトの譲渡価格を○○円と定める。乙は、契約締結日から○日以内に譲渡価格を甲に支払うものとする。支払い方法は○○(例:銀行振込)とする。
第4条(譲渡の実施)
甲は、乙に対して譲渡価格の全額を受領した後、速やかに本サイトの管理権限及び関連情報の引き渡しを完了するものとする。甲は、譲渡後も適切なサポートを一定期間(例:30日間)乙に対して提供することとする。
第5条(表明および保証)
甲は、本サイトが合法に運営されており、第三者の権利を侵害していないことを表明および保証する。乙は、譲渡に関する費用を適時に支払い、甲から受け取った情報を適切に管理することを保証する。
第6条(秘密保持)
甲および乙は、相手方の営業秘密や本契約に関連して知り得た一切の情報を秘密として保持し、第三者に開示しないものとする。
第7条(契約解除)
いずれかの当事者が本契約に違反した場合、相手方は書面により契約を解除することができる。解除の場合、既に受領した譲渡価格は返金されないものとする。
第8条(免責事項)
甲は、本サイトの譲渡後に発生するトラブルについて一切の責任を負わないものとする。
第9条(管轄裁判所)
本契約に関する紛争については、○○地方裁判所を専属的合意管轄裁判所とする。
第10条(その他)
本契約は双方の電子署名、または電子メールによる承認をもって修正されることができる。電子メールによる承認は、双方が同内容の契約書に対して同意を示す旨の電子メールを送信することにより有効とする。本契約書に定めのない事項については、双方協議の上、定める。
以上を証するため、本契約書を二通作成し、甲および乙が電子署名または電子メールにて承認し、それぞれ一通を保持する。
甲(譲渡人)
住所:
氏名:
電子署名または電子メールによる承認:_____
乙(譲受人)
住所:
氏名:
電子署名または電子メールによる承認:_____
上記がサイト譲渡契約書の雛形であり、最後の_____部に関して電子署名の入力箇所となります。
しかし電子メールによる承認を行う場合は_____部への署名は不要ですので空欄で問題ありません。
電子メールにて承認する方法
「電子メールにて承認」とは紙の契約書に手書きで署名する代わりに、契約書の内容を電子メールで確認し当事者双方がそのメールを通じて同意の意思を示す形式のことを指します。
具体的には、契約書を添付してメール本文で「契約内容に同意します」といった旨を明記し双方がその合意を確認することによって契約を成立させる方法です。
実際の署名を伴わずともメールでの明確な合意が確認されることで有効な契約とみなされます。
電子メールによる承認を行う人はサイト譲渡契約書作成後に以下のようなメッセージのやりとりを行ってください。
契約書送信者のメッセージ例
件名:契約書の確認と承認のお願い
○○様
お世話になっております。以下の契約書の内容についてご確認ください。
契約内容に問題がなければ、このメールに対して「同意します」とご返信いただくことで、契約成立とさせていただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
○○(名前)
添付:サイト譲渡契約書
契約書承認者のメッセージ例
件名:契約書の承認について
○○様
お世話になっております。送付いただいた契約書の内容を確認し、同意します。
このメールにより、契約内容の承認を正式に行います。
よろしくお願い致します。
○○(名前)
このように、メールのやり取りで明確に契約内容に合意したことが記録されれば、「電子メールにて承認」を完了したと見なすことができます。
電子メール承認の注意点
電子メール承認が有効になるように以下に注意するようにしてください。
- 当事者の明確な合意: メールのやり取りで、双方が契約内容に明確に同意していることが必要です。曖昧な表現や不明確な意思表示では、合意が認められない可能性があります。
- メールのやり取りの記録: メールによるやり取りがしっかり記録されていることが重要です。相手方が「契約に同意しました」という返信を送信したことが、後から確認できる状態にしておくことが望ましいです。
- 証拠力の確保: 電子メールには契約成立を証明する証拠力があるとされますが、メールの送信者や内容を偽造する可能性もあるため、トラブル防止のために保存・管理が重要です。
電子メールの内容やヘッダー情報を印刷し、紙の形で保管することも、契約の証拠を残する方法としておすすめします。
ただし電子署名システムを使った署名が法的に強い証明力を持つため、可能であれば電子署名システムを利用することが望ましいです。
電子メール承認を活用したサイト譲渡契約書まとめ
サイト譲渡契約書の雛形と、電子メールによる承認方法を活用する具体的な手順について説明しました。
特に対面でのやり取りが難しい場合でも、電子メールによって契約を成立させる柔軟な方法が取れる点は、利便性が高く多くの取引の場面で役立つでしょう。
電子メールでの合意を有効にするためには、当事者の明確な同意が記録され、後から確認できる形で保存することが重要です。
また国内では電子メール承認よりも電子署名システムの利用が推奨されておりますので、これによって法的な証拠力が強化されますので可能であればこちらも是非ご検討下さい。